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はじめよう

asdfのインストールには次の手順が必要です:

  1. 依存関係のインストール
  2. asdfコアのダウンロード
  3. asdfのインストール
  4. 管理したいツール/ランタイムごとにプラグインをインストール
  5. ツール/ランタイムの特定バージョンをインストール
  6. .tool-versionsファイルで、グローバルまたはプロジェクトのバージョンをセット

1. 依存関係のインストール

asdfの動作にはgitおよびcurlが必要です。以下の表は、 あなたが使用している パッケージマネージャで実行するコマンドの 一部例 です(いくつかのツールは、後の手順で自動的にインストールされます)。

OSパッケージマネージャコマンド
linuxAptitudeapt install curl git
linuxDNFdnf install curl git
linuxPacmanpacman -S curl git
linuxZypperzypper install curl git
macOSHomebrewbrew install coreutils curl git
macOSSpackspack install coreutils curl git

備考

お使いのシステムの構成によっては、接頭にsudoが必要となる場合もあります。

2. asdfのダウンロード

公式ダウンロード

shell
git clone https://github.com/asdf-vm/asdf.git ~/.asdf --branch v0.14.0

コミュニティがサポートするダウンロード方法

理由がない限り、gitコマンドを使用した公式ダウンロードの手順を使用することを強く推奨します。

方法コマンド
Homebrewbrew install asdf
Pacmangit clone https://aur.archlinux.org/asdf-vm.git && cd asdf-vm && makepkg -si または好みのAURヘルパーを使用

3. asdfのインストール

あなたが使用しているシェル、OS、およびインストール方法によって、ここでの設定方法が変わります。最も適したものを選択してください。

masOSユーザの方は、この節の最後にあるpath_helperに関する警告を必ず参照してください。

Bash & Git

~/.bashrcに下記の行を追記します:

shell
. "$HOME/.asdf/asdf.sh"

コマンド補完が必要な場合は、.bashrcに下記の行を追記します:

shell
. "$HOME/.asdf/completions/asdf.bash"
Bash & Git (macOS)

macOS Catalina以降を使用している場合、デフォルトのシェルはZSHです。Bashに変更していない限り、ZSHの手順を参照してください。

~/.bash_profileに下記の行を追記します:

shell
. "$HOME/.asdf/asdf.sh"

コマンド補完が必要な場合は、.bash_profileに下記の行を追記します:

shell
. "$HOME/.asdf/completions/asdf.bash"
Bash & Homebrew

下記コマンドで、~/.bashrcasdf.shを追加します:

shell
echo -e "\n. \"$(brew --prefix asdf)/libexec/asdf.sh\"" >> ~/.bashrc

コマンド補完が必要な場合は、Homebrewのガイドに従って設定を完了させるか、下記コマンドを実行します:

shell
echo -e "\n. \"$(brew --prefix asdf)/etc/bash_completion.d/asdf.bash\"" >> ~/.bashrc
Bash & Homebrew (macOS)

macOS Catalina以降を使用している場合、デフォルトのシェルはZSHです。Bashに変更していない限り、ZSHの手順を参照してください。

下記コマンドで、~/.bash_profileasdf.shを追加します:

shell
echo -e "\n. \"$(brew --prefix asdf)/libexec/asdf.sh\"" >> ~/.bash_profile

コマンド補完が必要な場合は、Homebrewのガイドに従って設定を完了させるか、下記コマンドを実行します:

shell
echo -e "\n. \"$(brew --prefix asdf)/etc/bash_completion.d/asdf.bash\"" >> ~/.bash_profile
Bash & Pacman

~/.bashrcに下記の行を追記します:

shell
. /opt/asdf-vm/asdf.sh

コマンド補完が必要な場合は、bash-completionをインストールします。

Fish & Git

~/.config/fish/config.fishに下記の行を追記します:

shell
source ~/.asdf/asdf.fish

コマンド補完が必要な場合は、下記コマンドを実行します:

shell
mkdir -p ~/.config/fish/completions; and ln -s ~/.asdf/completions/asdf.fish ~/.config/fish/completions
Fish & Homebrew

下記コマンドで、~/.config/fish/config.fishasdf.shを追加します:

shell
echo -e "\nsource "(brew --prefix asdf)"/libexec/asdf.fish" >> ~/.config/fish/config.fish

コマンド補完は、Fish shellのHomebrewが担います。親切ですね!

Fish & Pacman

~/.config/fish/config.fishに下記の行を追記します:

shell
source /opt/asdf-vm/asdf.fish

コマンド補完は、AURパッケージのインストール時に自動的に設定されます。

Elvish & Git

下記コマンドで、~/.config/elvish/rc.elvasdf.elvを追加します:

shell
mkdir -p ~/.config/elvish/lib; ln -s ~/.asdf/asdf.elv ~/.config/elvish/lib/asdf.elv
echo "\n"'use asdf _asdf; var asdf~ = $_asdf:asdf~' >> ~/.config/elvish/rc.elv
echo "\n"'set edit:completion:arg-completer[asdf] = $_asdf:arg-completer~' >> ~/.config/elvish/rc.elv

コマンド補完は自動的に設定されます。

Elvish & Homebrew

下記コマンドで、~/.config/elvish/rc.elvasdf.elvを追加します:

shell
mkdir -p ~/.config/elvish/lib; ln -s (brew --prefix asdf)/libexec/asdf.elv ~/.config/elvish/lib/asdf.elv
echo "\n"'use asdf _asdf; var asdf~ = $_asdf:asdf~' >> ~/.config/elvish/rc.elv
echo "\n"'set edit:completion:arg-completer[asdf] = $_asdf:arg-completer~' >> ~/.config/elvish/rc.elv

コマンド補完は自動的に設定されます。

Elvish & Pacman

下記コマンドで、~/.config/elvish/rc.elvasdf.elvを追加します:

shell
mkdir -p ~/.config/elvish/lib; ln -s /opt/asdf-vm/asdf.elv ~/.config/elvish/lib/asdf.elv
echo "\n"'use asdf _asdf; var asdf~ = $_asdf:asdf~' >> ~/.config/elvish/rc.elv
echo "\n"'set edit:completion:arg-completer[asdf] = $_asdf:arg-completer~' >> ~/.config/elvish/rc.elv

コマンド補完は自動的に設定されます。

ZSH & Git

~/.zshrcに下記の行を追記します:

shell
. "$HOME/.asdf/asdf.sh"

またはasdf for oh-my-zshのようなZSHフレームワークプラグインを使用して、このスクリプトをsourceし、コマンド補完をセットアップします。

コマンド補完は、ZSHフレームワークのasdfプラグインで設定するか、~/.zshrcに下記の行を追記することで設定できます:

shell
# append completions to fpath
fpath=(${ASDF_DIR}/completions $fpath)
# initialise completions with ZSH's compinit
autoload -Uz compinit && compinit
  • compinitのセットアップをカスタマイズしている場合は、asdf.shソース以下にcompinitがくるようにしてください。
  • ZSHフレームワークでcompinitのセットアップをカスタマイズしている場合は、フレームワークソース以下にcompinitがくるようにしてください。

警告

ZSHフレームワークを使用している場合、新しいZSHコマンド補完を使用するには、fpath経由で、関連するasdfプラグインの更新が必要となることがあります。Oh-My-ZSH asdfプラグインは、ohmyzsh/ohmyzsh#8837でご覧いただくと分かるとおり、まだ更新されていません。

ZSH & Homebrew

下記コマンドで、~/.zshrcasdf.shを追加します:

shell
echo -e "\n. $(brew --prefix asdf)/libexec/asdf.sh" >> ${ZDOTDIR:-~}/.zshrc

OR use a ZSH Framework plugin like asdf for oh-my-zsh which will source this script and setup completions.

コマンド補完は、ZSHフレームワークasdfによって設定されるか、Homebrewの説明に従って設定必要があります。ZSHフレームワークを使用している場合、新しいZSHコマンド補完を使用するには、fpath経由で、関連するasdfプラグインの更新が必要となることがあります。Oh-My-ZSH asdfプラグインは、ohmyzsh/ohmyzsh#8837でご覧いただくと分かるとおり、まだ更新されていません。

ZSH & Pacman

~/.zshrcに下記の行を追記します:

shell
. /opt/asdf-vm/asdf.sh

コマンド補完は、ZSHに適した場所に配置されますが、オートコンプリートを使用するようにZSHを設定する必要があります

PowerShell Core & Git

~/.config/powershell/profile.ps1に下記の行を追記します:

shell
. "$HOME/.asdf/asdf.ps1"
PowerShell Core & Homebrew

下記コマンドで、~/.config/powershell/profile.ps1asdf.shを追加します:

shell
echo -e "\n. \"$(brew --prefix asdf)/libexec/asdf.ps1\"" >> ~/.config/powershell/profile.ps1
PowerShell Core & Pacman

~/.config/powershell/profile.ps1に下記の行を追記します:

shell
. /opt/asdf-vm/asdf.ps1
Nushell & Git

下記コマンドで、~/.config/nushell/config.nuasdf.nuを追加します:

shell
"\n$env.ASDF_DIR = ($env.HOME | path join '.asdf')\n source " + ($env.HOME | path join '.asdf/asdf.nu') | save --append $nu.config-path

コマンド補完は自動的に設定されます。

Nushell & Homebrew

下記コマンドで、~/.config/nushell/config.nuasdf.nuを追加します:

shell
"\n$env.ASDF_DIR = (brew --prefix asdf | str trim | into string | path join 'libexec')\n source " +  (brew --prefix asdf | str trim | into string | path join 'libexec/asdf.nu') | save --append $nu.config-path

コマンド補完は自動的に設定されます。

Nushell & Pacman

下記コマンドで、~/.config/nushell/config.nuasdf.nuを追加します:

shell
"\n$env.ASDF_DIR = '/opt/asdf-vm/'\n source /opt/asdf-vm/asdf.nu" | save --append $nu.config-path

コマンド補完は自動的に設定されます。

POSIX Shell & Git

~/.profileに下記の行を追記します:

shell
export ASDF_DIR="$HOME/.asdf"
. "$HOME/.asdf/asdf.sh"
POSIX Shell & Homebrew

下記コマンドで、~/.profileasdf.shを追加します:

shell
echo -e "\nexport ASDF_DIR=\"$(brew --prefix asdf)/libexec/asdf.sh\"" >> ~/.profile
echo -e "\n. \"$(brew --prefix asdf)/libexec/asdf.sh\"" >> ~/.profile
POSIX Shell & Pacman

~/.profileに下記の行を追記します:

shell
export ASDF_DIR="/opt/asdf-vm"
. /opt/asdf-vm/asdf.sh

asdfのスクリプトは、$PATHを設定したあと、かつ、使用中のフレームワーク(oh-my-zsh など)を呼び出したあとに記述する必要があります。

警告

macOSでは、BashまたはZSHシェルを起動すると、自動的にpath_helperというユーティリティが呼び出されます。path_helperPATH(およびMANPATH)内の項目の順番を並び替えることができるため、特定の順序を必要とするツールの動作に、一貫性が無くなってしまいます。これを回避するため、macOSでasdfを利用するときは、強制的にPATHエントリの先頭に追加する(優先度を一番高くする)ようにしてください。これは、ASDF_FORCE_PREPEND環境変数で制御できます。

PATHの変更を反映するために、シェルを再起動してください。たいていの場合、ターミナルのタブを新たに開けばOKです。

コアのインストールが完了!

これで、asdfのコアのインストールは完了です🎉

しかし、asdfが役に立つようになるのは、プラグインをインストールしてからツールをインストールし、バージョンを管理するようになってからです。引き続き、ガイドを進めていきましょう。

4. プラグインのインストール

ここではデモとして、asdf-nodejsプラグインを使用してNode.jsをインストール・設定してみましょう。

プラグインの依存関係

各プラグインには依存関係があるため、プラグインのリポジトリを確認しておきましょう。asdf-nodejsの場合、必要なものは次のとおりです:

OS依存関係インストールコマンド
Debianapt-get install dirmngr gpg curl gawk
CentOS/ Rocky Linux/ AlmaLinuxyum install gnupg2 curl gawk
macOSbrew install gpg gawk

一部のプラグインではインストール後の事後処理でこれらの依存関係が必要となるため、あらかじめインストールしておきましょう。

プラグインのインストール

shell
asdf plugin add nodejs https://github.com/asdf-vm/asdf-nodejs.git

5. 特定のバージョンのインストール

Node.js用のプラグインをインストールしたので、このツールの特定のバージョンをインストールしましょう。

インストール可能なバージョンはasdf list all nodejsコマンドで確認できますし、特定のメジャーバージョンのサブセットはasdf list all nodejs 14コマンドで確認できます。

最新版をインストールするには、次のコマンドを実行します:

shell
asdf install nodejs latest

備考

asdfでは正確なバージョン番号を指定してください。latestは、現時点での最新バージョンを指定できるasdfのヘルパーです。

6. バージョンをセット

asdfは、カレントディレクトリから上位の$HOMEディレクトリまでに存在するすべての.tool-versionsファイルをもとに、ツールのバージョンを照会します。照会は、asdfで管理するツールを実行した際に、ジャストインタイムで行われます。

警告

ツールで指定されたバージョンが見つからない場合、エラーが発生します。asdf currentコマンドを実行すると、カレントディレクトリにおいてツールのバージョンを解決可能か確認できるため、どのツールが実行に失敗するか検証することができます。

グローバル

グローバルのデフォルト設定は、$HOME/.tool-versionsで管理されます。グローバルのバージョンをセットするには、次のコマンドを実行します:

shell
asdf global nodejs latest

すると、$HOME/.tool-versions内には次のように書き込まれます:

nodejs 16.5.0

一部のOSでは、pythonのように、asdfではなくシステムが管理するツールが既にインストールされていることがあります。それを使用する場合、asdfに対して、バージョン管理をシステムに委任するように指示する必要があります。詳しくは、バージョンのリファレンスをご覧ください。

ローカル

ローカルのバージョン設定は、$PWD/.tool-versionsファイル(カレントディレクトリ内)で定義されます。たいていの場合は、プロジェクトのGitリポジトリ内となるでしょう。対象となるディレクトリで、下記コマンドを実行します:

shell
asdf local nodejs latest

すると、$PWD/.tool-versions内には次のように書き込まれます:

nodejs 16.5.0

ツールごとに用意された既存バージョンファイルの利用

asdfは、他のバージョンマネージャ向けに作られた既存のバージョンファイル(例: rbenvの場合は.ruby-versionファイル)からの移行をサポートしています。これはプラグイン単位でのサポートです。

asdf-nodejsであれば、.nvmrcファイルと.node-versionファイルの両方に対応しています。このサポートを有効にするには、asdfの構成設定ファイルである$HOME/.asdfrc内に、下記の行を追記してください:

legacy_version_file = yes

構成設定でのその他のオプションについて詳しくは、構成設定のリファレンスをご覧ください。

入門完了!

以上で、asdfの入門は完了です🎉 ここまでで、プロジェクトでのnodejsのバージョン管理ができるようになりました。プロジェクトで使用するツールごとに、同様の手順を実施してください!

asdfには使いこなすと便利なコマンドが他にもいっぱいあり、asdf --helpコマンドまたは単にasdfコマンドを実行すれば、すべてのコマンドの説明を見ることができます。コマンドは大きく分けて3つのカテゴリに分けられます: